衛星レーザー測距(SLR)とは?
衛星レーザー測距(Satellite Laser Ranging : SLR)は、衛星に取り付けられたリフレクタに向けてレーザーを照射し、その往復時間を計測することで、地上局-衛星間の距離を測定するシステムです。SLRは1cm以下の高い精度で距離を測定できるため、衛星の精密軌道決定やGNSS受信機の校正、地球重力場の観測、衛星が持つ原子時計の時刻管理などの幅広い用途で活用されています。
つくばSLR局の概要
つくばSLR局はJAXA職員がアクセスし易い様につくば宇宙センター内に設置されています。2023年6月より運用が開始されている本局は世界測地座標系の構築や高精度軌道決定に貢献しています。
つくばSLR局の特徴
つくばSLR局は「安価、小型かつシンプル」をコンセプトとして設計されました。本局ではクーデパスを設けずレーザー送信器及び検出器を望遠鏡に直に取り付けることで小型化を実現しています。レーザー波長としては532nmと1064nmの2種類を搭載しており、LEOからGEOまでの衛星を測距可能です。
つくばSLR局測距システム諸元
望遠鏡⼝径 | 0.8m |
波⻑ | 532nm、1064nm |
繰り返し周波数 | 1kHz |
パルスエネルギー | 260µJ@532nm、350µJ@1064nm |
受信検出器 | SPAD |