センター長 ご挨拶

2026年4月1日付で、追跡ネットワーク技術センター長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

まずは、追跡ネットワーク技術センターの業務について、簡単にご紹介いたします。
「追跡ネットワーク技術センター」がJAXAの中でどのような役割を担っている組織なのか、すぐにはイメージしにくいかもしれません。皆様もニュースやSNSなどで、ロケットや人工衛星の打上げを目にする機会が多いかと思います。こうした活動はJAXAの中核をなすものですが、これらを支える多くの組織が存在し、宇宙活動を支えています。追跡ネットワーク技術センターも、その一翼を担っています。
私たちは、人工衛星や探査機を「追跡」し、「ネットワーク」でつなぎ、さらに将来を見据えた新たな「技術」の研究開発に取り組む組織です。まさにセンター名のとおり、幅広い業務を担っています。

人工衛星や探査機は、宇宙へ飛び立った後も常にその状態を監視し、必要に応じて地上から指令等、確認・監視を継続する必要があります。そのため、私たちは国内外にアンテナを有していおりますが、国内では筑波宇宙センターのみならず、長野県の臼田宇宙空間観測所、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所や増田宇宙通信所、千葉県の勝浦宇宙通信所等で地上アンテナの開発・整備・維持運用を行い、衛星と地上を結ぶ橋渡し役として、365日24時間体制で衛星運用を支えています。
一口に地上アンテナといいましても衛星の種類やミッションによって求められる機能は大きく異なり、地球周回衛星から月・惑星探査機まで多岐にわたり、それぞれに応じた柔軟な対応が必要となります。アンテナの口径、配置、通信方式、周波数など、さまざまな条件に対応するため、私たちは常に新しい技術の研究開発に取り組み、その成果を地上アンテナへ反映させています。

近年は世界的に月探査や月面活動への関心が高まり、新たな宇宙利用の時代を迎えています。一方で、私たちの生活を支える道路や上下水道などの社会インフラと同様に、宇宙活動を支える地上アンテナを含む地上インフラにも老朽化への対応は喫緊の大きな課題でもあります。当センターが運用する地上アンテナの中にも、30年以上稼働している設備が多くあります。このため現在、私たちは来たる月探査ミッション等への対応と設備更新の両面を見据えながら、次世代の宇宙用地上インフラのあり方について検討を進めています。新たな地上アンテナの構成や通信方式、通信手順に加え、電波のみならず、光やレーザ、また、レーダ、光学望遠鏡などの活用も視野に入れながら、日頃より支えていただいている民間企業、関連機関等の皆様や、海外宇宙機関とも連携した議論と検討を重ねています。

また、当センターはスペースデブリ観測施設も有しており、運用を終了した宇宙機やスペースデブリの観測・監視にも取り組んでいます。さらに、衛星と地上を結ぶために不可欠な宇宙機の軌道を高精度に把握するための軌道技術に関する研究開発も推進しています。

今後、宇宙活動はますます多様化し、その規模も大きく拡大していくことが予想されます。そのような時代において、追跡ネットワーク技術センターは、宇宙用地上インフラの開発・運用と研究開発の中核を担う組織として、確かな技術力と挑戦する姿勢をもって対応したいと思います。

引き続き、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。